普通のやけどとは原因や症状が違う低温やけど。
重症化すると皮膚が壊死してしまうこともあるとか。
一体どんな症状があらわれるのでしょうか。
そんな低温やけどの対処法などについて調べてみました。
低温やけどって何度くらいでなるもの?
低温やけどとは、高温によるやけどと違って高温でない熱源でも継続して皮膚に触れることで起こります。
調査結果によると、「44℃で約6時間」、「45℃で約3時間」、「46℃で約1時間半」で
低温やけどを起こしたそうです。
45℃と言えば、少し熱めのお風呂と同じぐらいです。
お風呂は45℃ぐらいで「ちょうど良い」と思う人もいると思います。
しかしながら、そのぐらいの温度でも低温やけどの原因となってしまうのです。
低温やけどの特徴としては 「表皮」、「真皮」、「皮下脂肪組織」にまでいたる深いやけどです。
「表皮」の下は、毛細血管が多く、熱は血液によって、他の部分へ運ばれます。
しかし、「皮下脂肪組織」は血管がまばらで熱が運ばれにくいので、
やけどの範囲が大きく深くなるのです。
低温やけどの症状
低温やけどの初期症として、以下のような症状があらわれます。
- やけどの範囲が狭く、大きくても直径4~5cmぐらい
- 最初は皮膚に赤みが出るぐらいで、軽い高温のやけどと似ている
- 水ぶくれができにくい小さなポツポツぐらい
- 痛みを感じにくい
低温やけどを起こしてから1~2週間ぐらいまでに皮膚の色が白くなり、
さらに灰白色、黄色へと変わっていきます。黒くなる場合もあるのです。
また、細菌が感染してしまうと、膿が出るようになりこのような変化が起こってからでないと、
軽いやけどと勘違いしてしまうことが多いようです。
高齢者は要注意!?
暖房器具の使い方を間違えてしまうと、低温やけどを起こす場合があるのです。
特に高齢者の場合は、加齢によって感覚が鈍くなり熱さを感じにくくなるので、
低温やけどを起こすリスクが高くなります。
この他、糖尿病などの病気によって神経に何らかの影響が与えられると、
感覚が鈍くなり、低温やけどを引き起こしやすくなります。
また、暖房器具を使ったまま眠ってしまい低温やけどを起こすことがあります。
乳幼児や介護を必要とする高齢者は、寝た後で家族の人が
布団に入れた湯たんぽで低温やけどを起こす人が多いのです。
糖尿病についてはこちらの記事もご参考に♪
低温やけどの予防
低温やけどにならないようにするため以下のことをきちんと守り、低温やけどを予防しましょう。
居眠りをしない
「10分だけ」と思い暖房器具をつけたまま眠ってしまうと低温やけどになりやすくなります。
暖房器具の中でも要注意なのが、「こたつ」です。
タイマー機能を活用するなどしてうまく使うようにしましょう。
カバーなどを工夫
「湯たんぽ」、「あんか」などのカバーとして 厚手の布製の袋に入れて使うようにしましょう。
そのままむき出しの状態で使うことは絶対にやめましょう。
クッションなどを使う
電気カーペットの上で横になるときは毛布を敷くかくるぶしやかかとあたりにクッションを入れましょう。
衣類の上からカイロを使う
使い捨てカイロを使うときは、必ず衣服の上から当てるようにしましょう。
そして、絶対に押し付けたりしないように気を付けましょう。
また、布製の袋に入れて使ったり、たまにカイロの場所を変えるようにしましょう。
靴用のカイロは靴の中だけで使う
靴用のカイロは、多くの空気に触れることで高温になります。
よって、靴用カイロは靴の中以外では使ってはいけないのです。
歩くときも空気が靴の中に入り熱くなることがあります。
まわりの人が気にかける
高齢者や子供の場合、まわりの人が気にかけてあげることが大事です。
高齢者の場合、暖房器具によって熱中症を引き起こして意識障害や低温やけどを起こすこともあるのです。
寝ていたとしても、たまに気にかけて様子を見てあげるようにしましょう。
低温やけどの対処法
家庭において低温やけどを起こしてしまったときは、まずは「流水で流す」などの応急処置を行うようにしましょう。
そして、すぐ皮膚科や形成外科へ行って診察してもらいましょう。
しかし、すぐ病院へ行くことができないときは 市販されている軟膏を塗りましょう。
それから、必ず病院へ行きましょう。
軟膏を塗るときのポイントとしては、軟膏を厚めに塗るということです。
そして、上からガーゼで覆います。
普通のやけどの応急処置の冷却は、高温やけどに対しては効果的なのですが、
低音やけどに対しては、あまり効果がないのです。
やけどの状態を見ても「高温やけど」なのか「低温やけど」なのか、
なかなか判断しにくいことが多いと思います。
判断できずに迷ったときは、まず冷やしましょう。
「2~3時間こたつで寝ていた」などで低温やけどだと判断できるときは、すぐ病院へ行くことが大事です。