最近よく聞く逆流性食道炎。
CMでも目にすることがありますが、いったいどのような病気なのでしょうか。
症状として咳や痰が出ると言われていますが、それは喘息も関係しているのだとか。
今回はそんな逆流性食道炎について調べてみました。
逆流性食道炎とは?
逆流性食道炎とは、何らかの原因で胃液や胃の内容物などが
食道に逆流することで、食道の粘膜に炎症が起こる病気です。
胃液には、胃酸という食物を消化するための強力な酸が含まれています。
食道の粘膜は、胃の粘膜とは違い胃酸の消化力を防ぐ機能がないので、
胃酸が食道に逆流してしまうと炎症を引き起こします。
この病気は、60歳以上の高齢者に多く発症し、特に女性の高齢者に多いといわれています。
昔は、欧米でよく見られた病気でしたが、最近では日本でも増えてきています。
日本で増えている理由としては、食生活の欧米化や社会全体の高齢化などです。
逆流性食道炎の症状
逆流性食道炎の症状には種類があり、
中でも胸やけ・嚥下障害(えんげしょうがい)・呑酸(どんさん)は、三大症状といわれています。
また、逆流性食道炎の症状のひとつである咳(せき)が呼吸器疾患である
喘息と関係があるともいわれているのです。
これは、胃から食道へ胃酸が逆流するときに、気管支内に胃酸が吸入されてしまい、
吸入された胃酸が気管支に刺激を与えて喘息の症状を悪化させるというものです。
寝ている間に胃酸が逆流してくる場合もあるので
食後の2〜3時間は横にならないようにしてください。
肩の位置を高めにすることで逆流を防ぐこともできます。
リクライニングベッドで少し角度をつけた状態がベストです。
布団のしたに敷くと快適に眠れるのではないでしょうか?
逆流性食道炎についてはこちらの記事もご参考に♪
逆流性食道炎の症状とその特徴
- 胸やけ 三大症状の1つで、主に食後に胸に熱いものがこみあげてくるような感じがする
- 嚥下障害(えんげしょうがい)三大症状の1つでのどがつまり、
食物を飲み込むことが難しくなる - 呑酸(どんさん) 三大症状の1つで、すっぱいものや苦いものが口まであがってくる
- 咳(せき) 激しくせきこんで痰がでる場合もあり、
喘息と関係があるともいわれている - 胸痛 胸をしめつけられるような痛みを感じる
逆流性食道炎の原因
逆流性食道炎は、逆流した胃酸が食道の粘膜を荒らすことで起こるのですが、
胃酸が逆流する原因はいろいろとあります。
まず最初の原因としては、胃酸の過剰分泌です。
欧米化した食生活によって肉や油っこいものなど脂肪分が多い食品を
日常的に食べるような食生活を送っていると、胃の活動が活発になりすぎてしまい、
胃酸の分泌量が増えたり、胃酸の逆流が起きやすくなります。
同じく、食べ過ぎも胃の活動を活発にし、 胃酸を過剰に分泌する要因になってしまいます。
次の原因としては、下部食道括約筋の機能の低下があげられます。
下部食道括約筋とは、食道と胃のつなぎ目にあり、
胃から食道への逆流を防ぐ役目をする筋肉のことです。
この筋肉が、老化や胃の手術などによって機能が低下してしまうと胃酸の逆流が防げなくなるのです。
逆流性食道炎の患者が高齢者の方に多いのはこのためなのです。
そして、腹圧の上昇も逆流性食道炎の原因として考えられています。
具体的には、肥満やベルトなどによる腹部の締め付けやしゃがんだり
重いものを持ったりするなど力むことによって胃が圧迫され腹圧が上昇し、
胃酸の逆流が起こりやすくなるということです。
逆流性食道炎の検査と治療
逆流性食道炎の検査は主に内視鏡検査で行われます。
内視鏡とは、細長い管の先端にビデオカメラなどがついた医療機器で
一般的には胃カメラと呼ばれているものです。
この内視鏡を主に口から入れて、食道内の状態を検査します。
逆流性食道炎は症状が特徴的なので、医師が患者の症状を見るだけで診断ができる場合もあるのですが、
きちんと診断するためや他の病気とはっきりと区別するためにも内視鏡検査を行います。
その他の検査としては、pHモニタリングや問診などがあります。
逆流性食道炎の治療としては、薬物療法、手術療法、生活習慣の改善などがあります。
薬物療法では、飲み薬が処方されます。手術療法は、現在のところあまり一般的ではありません。
また、生活習慣の改善としては、食生活の見直しや腹圧の上昇を抑えることなどがあります。
これらの中でも薬物療法は、逆流性食道炎の治療の中心となります。